エンバーミングとは、遺体を化学的・外科医学的防腐処置技術によって、外観的な変化なく長期間保存する方法です。エンバーミングの流れは以下のようになります。①全身を消毒処理、洗浄する。②髭をそるなど遺体の表情を整える。③エンバーミング溶液の注入、血液を排泄する動脈、静脈を挙げるために切開を行なう。④動脈、静脈を挙げる。⑤挙げた動脈からエンバーミング溶液を注入し、静脈を切開して血液を排泄する。⑥体内の腐敗しやすい物質を吸引して取り除く。⑦切開を施した部位を縫合し、事故などで損傷箇所がある場合はその部分の修復も行う。⑧改めてエンバーミング溶液の注入を行い、体内の防腐・殺菌を行なう。⑨再度全身・毛髪を洗浄する。⑩遺族より依頼のあった衣装を着せ、化粧で表情を整え直した上で納棺する。
火葬が一般的となっている日本では、エンバーミングはあまりなじみのないものですが、都内に住んでいるため火葬までに1週間以上かかる場合や、遺族が遠方に住んでいる場合などに火葬までの期間、遺体をきれいに保存しなければならない場合の手段として注目されています。