神道式の葬式である神葬祭は、故人を極楽浄土に送るのではなく、 家に留めて守護神とするための儀式です。 神道では死は穢れであるという考え方から神葬祭は神社ではなく、自宅や斎場で行なわれます。神祭式の流れは以下の通りです。
①帰幽奉告:神棚や祖霊舎に故人の死を奉告し、神棚の前に白紙を下げます。
②枕直しの儀: 遺体に白の小袖を着せて北枕で寝かせます。
③納棺の儀: 遺体を棺に納めます。
④通夜祭:神職による祭詞奏上、仏式の焼香にあたる玉串奉奠などを行ないます。
⑤遷霊祭: 部屋を暗くし、神職によって故人の御霊を霊璽に移します。
⑥葬場祭:死のけがれを清め、死者を神として祀ります。
⑦火葬祭 :火葬の前に火葬場で行われる儀式です。
⑧埋葬祭: 遺骨を埋葬するための儀式です。
⑨帰家祭:自宅へ戻り、塩や手水で清め、無事に神葬祭が終わったことを霊前に奉告します。 この後、仏式の通夜ぶるまいにあたる直会を行ないます。
神式の葬式では、その他にも数珠を使わないこと、不祝儀袋は蓮の花が入っていないものを使うこと、挨拶で「冥福」「成仏」「供養」という言葉は使ってはいけないことにも注意しておくとよいでしょう。